人生は壮大なネタ作り

日頃考えていることを文章にしています。ごく稀に更新します。

United States "are"

 アメリカ合衆国という国があります。北アメリカ大陸東海岸13州が英国から独立することによって成立しました。一時は内戦も経験しましたが、20世紀初頭から急速な膨張を遂げ、第一次世界大戦後に世界一の大国となり、第二次大戦後には超大国となりました。

 

 この国には建国当初から反ヨーロッパ的な感覚があります。そりゃあそうです。そうじゃなきゃ独立しない。その中で、「自由」という価値観を最上位においた国家を形成してきました。ヨーロッパや日本に置いてあれだけ社会主義が流行った時代に置いても、自由という価値観だけは堅持した。それだけ大切な価値観なわけです。

 

 ”The federalist papers”という文章があります。英語版は無料で読めますし、日本語版は岩波文庫で読めます。これは、合衆国憲法制定の必要性を、合衆国建国の父たちが切実に訴えたものです。議院内閣制と並んで代表的な民主体制になった大統領制が、なぜ議院内閣制の本家本元たるイギリス植民地から誕生したのか、感じられる文章です。

 

 

 通底する価値観は自由です。しかも、各州の自治の権限は強力に残す。あくまでアメリカというのは、国があって州があるのではなく、州があって国があるのです。"The United States"に付属するbe動詞は、南北戦争集結まで複数形だったといいます。そのあたりにこの国の本質があります。

 

 近頃の世界のことを言うと、ヨーロッパが環境問題にうつつを抜かしている間にシリコンバレーはどんどん興隆し、中国は巨大国家になりました。まだまだアメリカには、他国と競争していく力があります。その土台となっているのは、何があっても揺らがない、「自由」の考え方です。一本筋の入った国は強い。少し日本も見習ったほうがいいかもしれません。